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本多 真紀
地球化学, 55(4), p.176 - 192, 2021/12
ヨウ素129 (I)は半減期1570万年でXeに壊変する放射性核種である。地球環境中に存在するIの分析を通じた研究は、惑星科学や地球科学の分野だけでなく、近年では原子力分野においても重要な役割を果たしている。特に2011年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故では、広範囲にわたるIの分布及び土壌沈着量を推計し、事故初期の内部被ばく線量評価に貢献した。これは近年のI関連の研究における最も大きな研究成果の1つである。今後は、陸から河川へのIの移行や、海域での事故由来のIの輸送メカニズムを解明する研究、水生生物等への濃縮を調査する研究が進んでいくと予想される。本稿では筆者が注力してきた研究(土壌中のIの動態)を中心に、事故から10年間の様々な研究で得られた成果を報告する。